事件はもう5年前である。
40年近く、掛かりつけの内科医がいた。何時の間にか、その医院では、2人とも医師である息子夫婦達が、院長などになり、その内科医は会長になっていたが、私は相変わらず、親の方に掛かっていた。
(現在住んでいる市では、60歳以上には、毎年の特定健診が義務付けられている。)
6年前6月の健診結果について、親の方の診断は、其れまでと同じ様に、「あなたの年で、この結果は素晴らしい! ぜひ現在の生活を続けてください。」であった。(私は、酒は人並みに飲み、タバコは20本/日喫っていた。)
その後、片頭痛の特効薬トリプタンの処方箋を出して貰いに、訪院し、たまたま息子の診察を受けた。彼は、いきなり、「禁煙すべきだ。」との意見をぶつけて来た。私は、「タバコが疫学的に有害であるというデータはない。」と譲らず、平行線のままで、処方箋は出た。その場に偶々居合わせた嫁さんは、あまりの議論の激しさにその場に居たたまれなくなった。
5年前6月、同じ様に特定検診を受け、同じ様な結果の診断を聞きに、何時もの通り親の診察を受けた。驚いたことに、彼は「タバコは体に悪いから、禁煙せよ。」と言うではないか!
将に、「老いては子に従え。」である。
それ以降、私はその医院に足を踏み入れたことはない。
そして、タバコの36%の値上げが確実となったその年の年末、私は禁煙に踏み切った。
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