数日前から、新聞配達の途上、数か所で花の香りに気付いていたが、何の花かは特定できなかった。
今朝は、迷うことなく特定出来た。金木犀である。少なくとも、4,5か所でその香りを認めた。
辺りはまだ真っ暗であるので、その匂いがすると、佳人が光の届かぬところで佇んでいるかのようなときめきを感じることもある。
金木犀の香りに接すると、一瞬のうちに、数十年の時空を超えて、タイムトリップした。
当時は、勤務地は東京、40歳前後で、片頭痛の発作が一番激しい頃で、強いのが起きれば、数日床に就かねばならぬほどの痛み、嘔吐、脱力感に襲われた。
勿論、特効薬トリプタンは、まだ欧米においても登場していず、発作が起きれば筋弛緩薬としても使用されるエルゴタミン、その他を服用するしか対策がなかった。私はそれらに頼らず、ひたすら耐えるだけであった。
何処かで、或いは、誰かから、「カイロプラクティック」が有効と聞いて、ひとつの治療所へ通い始めた。
そこへの途中に、金木犀が街路樹として植えられており、その開花期の往きかえりに、その香りを嗅いでいたので、「金木犀」、「カイロプラクティック」、「片頭痛」という三題噺が出来たわけである。
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