10年以上前だろうか、5,6月のある朝、若いモモを庭で散歩の為、リードから放すと、突然走り出した。その前方では、生まれたばかりの子猫が必死で逃げている。子猫は辛うじて、母屋の縁の下へ逃げ込み遂せた。モモは本気で追い駆けているのでなく、逃げるモノを追い掛ける本能に従ったまで。
モモが諦めて私の下に戻って来たとき、こは如何に? 新手の子猫が私の方へ鳴き乍ら歩いて来た。直ちにモモを制止し、よく見ると、逃げた子猫と違う毛並みである。ノラの子らしくなく、私に体を擦り付けて来るではないか!
これは取り敢えず保護する事にして、モモとは違う食器を探してきて、モモのえさを与えるとガツガツと食べ始めた。
ネコを徹底的に嫌う嫁さんを憚って、この子猫を、自宅へ上げず、庭で飼う事にする。同時に、モモには、その子猫が新たな家族のメンバーである事を納得させる事に、成功する。
子猫は、日中は庭で過ごし、夜は納屋の2階を、ねぐらにしていたのだろう。朝、モモを放しに庭へ出ると、納屋の方角から現れて、大声で鳴いてメシをねだる。
飼い始めてひと月が経って、名前を付けておかぬと何かと不便なので、命名する事にする。この猫はオスであり、加州に住んでいる長男の名前が、「シンタ」なので、これを、「ユウジ」と名付ける。
嫁さんが、何故その名前にしたかと聞くので、シンタの弟は、ユウジでなければならぬと答えた。それでも分からぬと言うので、その必然性を説明した。
察しの良い本ブログの購読者は、直ぐお分かりと信ずる。万一、お分かりならない方は、10月5日の投稿を見て、メッセージを送るか、コメント欄で問い合わせて下さい。必ず、お教えします。
ユウジも日を経るに従って大きくなるし、イヌならいざ知らず、成猫を庭で飼っているのは外聞も悪いと考え、養子に出すことにする。
近くのショッピングモールの掲示板に、「人懐っこい、一歳未満のオス猫譲ります」と投稿して居たら、ほどなく若いカップルから、見てみたいとの電話あり。
ユウジにとっては、生まれて初めて、屋内の事務所に入れて貰い、若夫婦と面会し、即、養子縁組は成立した。
前の投稿のシロと違い、ユウジは大人しく車で貰われて行き、斯くして、彼の、飼い猫への華麗なる転身は完了した。
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