新聞配達人の時々日記: 半世紀前の別の白ネコとの物語  

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2013年11月3日日曜日

半世紀前の別の白ネコとの物語

前投稿で、配達先の白猫が、飼猫か、ノラか分からぬと述べたが、ひと晩寝てから、飼猫であると確信するに到った。

ノラなら、撫でて貰いたければ、毎晩姿を現すはずである。飼猫だから、外に出して貰えぬ時があり、姿を現さぬ方が多いのである。

今朝は、雨の為、車の下に座ってこちらを見ていた。

その猫を見ていると、中学生の頃自宅にいた「シロ」と呼ばれていたノラ猫の子である白いネコを思い出した。

シロはオスで、非常に活発で、 私が厚手の上着を着ている時に、名前を読んで胸を叩くと、胸にジャンプして、服に爪を立てカラダを保持して、私の顔に鼻先を擦り付けていた。シロは、兄弟4人の中で一番私と仲が良かった。 

当時住んでいたのは、丘陵地の中の新興住宅地の1つで、周りには未だ自然が残っていた。それから数年後、街中のアパートへ引越しする事になった。

飼っていた犬は、連れて行けぬので、泣きのの涙で、近くの大学の用務員宅へ番犬として引き取って貰った。

シロは連れて行くことにし、引越しのトラックの隅に、私がシロを抱いて座った。今はとても許されぬだろうが、当時は、引っ越し荷物と一緒である限り、ヒトがトラックに乗る事は許されていた。

トラックが動き出すと、シロは激しく私を引っ掻き、腕から脱出して、トラックから飛び降り一目散に住んでいた家へ戻った。

まこと、「ネコは家に付く。」である。

今なら、当然ケージを用意するだろうが、当時はそんなことは考えなかった。

どれ位経ってか日数は覚えぬが、暫くして、電車で前の家に行った。

シロは完全にノラ猫化して、縁の下に潜んでおり、持って行った食い物を掻っ攫って縁の下へ戻り、唸り声を上げ乍ら、呑み込み始めた。以前あった親愛の情らしきモノは、片りんも残存せず、私は悲しい思いで帰宅したものである。

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